ビットコイン等の仮想通貨取引(暗号資産取引)への対応
ビットコイン等の仮想通貨取引、すなわち、コインチェック、ビットフライヤー、GMO、DMMなどの取引所や販売所を介して、仮想通貨を売買する行為は、投機的取引による浪費として免責不許可事由に該当する場合があります。
もっとも、上記の仮想通貨取引所や販売所で取引した履歴を調査したのち取引口座を解約し、本人が取引を行わないことを誓約するなど、今後、仮想通貨取引行為を慎むことが出来ると判断されれば、裁判所の裁量によって破産による免責が認められる可能性があります。
まずは、弁護士に破産による免責可能性についてご相談ください。
消費者被害的な要素・詐欺的なアルトコイン
ビットコイン以外の仮想通貨(暗号資産)をアルトコインと通称していますが、その種類は数千以上とも言われており、中には実態がない詐欺的な仮想通貨(暗号資産)も含まれております。
特に、日本国内で取引未承認の取引所や販売所でのみ取り扱われている仮想通貨取引には注意が必要です。
消費者被害的な要素・販売所の高額なスプレッド手数料
取引所や販売所を介しての仮想通貨の取引には、何らかの料金ががかかります。
その中で特に注意が必要なのが、販売所形式を採用している場合のスプレッド手数料です。
スプレッド手数料とは、売値と買値の価格差による販売所の利益を言います。
仮想通貨の販売所は、仮想通貨の価格を利用者が購入する場合は上乗せして、売却するときは差し引いて独自の価格を設定しています。
この売買の際の上乗せ分や差し引き分が仮想通貨の販売所の利益となります。
仮想通貨の販売所は、取引所形式の場合と異なり取引相手が見つからないことによる取引不成立になるリスクを大手業者が直接相手方になることから回避できるメリットがあるとサイトに記載するなどしており一見安心感があります。
しかしながら、販売所の仮想通貨の取引の手数料は取引所形式の100倍以上になる場合も多くあります。
そのため、販売所を介した仮想通貨の売買でスプレッド手数料を差し引いて利益を得ることは、実際には著しく困難であると考えられます。
なぜならば、高額の販売所のスプレッド手数料以上に仮想通貨の価値が上昇または下落したときに取引を行う必要がありますし、仮に、仮想通貨の乱高下のある相場状況で取引を行おうとすれば、価格の乱高下を理由に販売所の変動制のスプレッド手数料も上昇している可能性があるからです。
ウェブサイト上では、取引所形式・販売所形式が選べるのに、スマートフォンアプリ上では販売所形式でしか取引できない場合もあります。
また、一定の条件で取引所形式の取引が出来るサービスがある場合でも、実際には条件が厳しすぎて全て販売所形式での売買になってしまう場合などがあります。
販売所形式には問題が多いのでご注意ください。
仮想通貨取引での損失=浪費?
以上の通り、仮想通貨取引によって損失には、利用サービスや取引状況によって、単純な浪費とだけは評価できない場合もあります。
そのため、破産申し立てや免責許可の可能性判断においては、仮想通貨に理解がある弁護士にご相談することをお勧めいたします。
仮想通貨取引と否認権行使
いわゆるレバレッジをかけての仮想通貨取引について、入金している現金以上の損失を生じた場合には、現金のマイナスが生じて、仮想通貨の取引や出庫が出来なくなる状態が生じます。
取引所や販売所に仮想通貨(暗号資産)の残高が残っている場合に、取引所や販売所は、規定の期間にマイナスが解消されるか判断するために仮想通貨の取引を停止し、仮想通貨の残高が現金の支払いを担保する様な仕組みを採用しています。
仮想通貨(暗号資産)も時価額相当の資産として扱われるため、破産手続においてどのように処理するか問題になります。
仮想通貨取引と偏頗弁済
保有している仮想通貨(暗号資産)の種類、保有数、価値、相場の状況等によっては、レバレッジ取引などによって生じた現金残高のマイナスを解消して仮想通貨を取引できる状態に戻すことが、仮想通貨(暗号資産)の取引所や販売所に対する一部債権者への不公平な弁済類似として問題になる可能性もあります。
他の債務の支払い状況によっては、仮想通貨(暗号資産)の取引所や販売所への現金の入金が裁判所や管財人の調査の対象となる場合、否認権行使の対象となる可能性があります。
まずは弁護士にご相談ください。
破産財団を構成する仮想通貨の残高の配当
仮想通貨(暗号資産)を現金に換価して債権者に配当するのか、仮想通貨自体を配分するのかについては、管財人や裁判所の判断になります。
まずは弁護士にご相談ください。
未承認取引所の問題
海外にある日本国内での仮想通貨取引未承認の取引所や販売所を利用していた場合には、管財人や裁判所も仮想通貨取引に履歴調査や仮想通貨残高の財産換価に相当の労力が必要になる可能性が高いです。
仮に、仮想通貨(暗号資産)の残高がある場合などについては、手続上、現金への換価や引き出し、債権者への配当が困難として、その分を破産申立人が開始決定後に現金で破産財団に積み立てるように命じられる可能性がありますのでご注意ください。
非免責と個人再生手続への切り替え
破産申立の後に免責が許可される見込みがないと予想できる場合には、その段階で、個人再生の申立に手続を切り替えて債務を縮小して分割払いにする方法もあります。
まずは弁護士にご相談ください。
自己破産申立(免責許可)・個人再生申立の注意点
- 予納金(裁判所の手続費用)
- 保証人への請求
- 銀行に債務がある場合
- 債務の返済を銀行引き落としにしている場合
- ギャンブル等のための借入
- 税金・養育費・婚姻費用などの支払が残る場合
- 財産を隠しての手続
- 親族や友人からの借り入れ
- 破産手続中の資格制限
- 郵送物の転送
- 転居・旅行・出張
- 勤務先からの借金
- 2回目の破産、再生
- 生命保険の解約
- 預金口座の解約
- 税金の支払
- 家具・家電の購入
- 相続財産と遺産分割協議の有無
- 支払督促や貸金返還請求訴訟への対応
- 動画配信アプリの投げ銭行為
- 新型コロナウィルス関連
- ビットコイン等の仮想通貨取引
- 新電力の市場連動型プラン変更
- 投資詐欺・ポンジスキーム
- 住宅ローンの変動金利の上昇
- 給与ファクタリング
- 株・信用取引・FXの損失
- 退職金・確定拠出金
- 破産後のETCカード利用
- デポジット式のクレジットカード